「自分語りですが」という前置きは効くのか

この記事は、前置きを使う側・読まされる側のどちらにも向けて書いています。

SNSやコメント欄で、 「自分語りですが」と断ってから長文が始まる形をよく見かけます。

この前置きに実際の効果はあるのか、 あるとすればどこまでなのかを分けて整理します。


前置きが持っている二つの機能

この一言には、性質の違う働きが同時に入っています。

予告  … これから自分の話をします、と先に知らせる
免責  … 分かって書いているので責めないでほしい、という予防線

前者は読み手にとって有用です。 読むかどうかを先に決められるためで、 これは実際に負担を減らします。

後者は、 書き手の側の事情でしかありません。


予告としては機能する

知らせる働きに限れば、効果はあります。

長文が始まることが分かっていれば、 読み手は途中で離脱するかどうかを最初に判断できます。 読み始めてから「まだ続くのか」と気づく形より負担が小さくなります。

コメント欄で長文が引っかかりやすい理由は コメント欄の自分語りはなぜ起きるのか|書く側の心理で扱っています。


免罪符としては機能しない

断ったからといって、内容が変わるわけではありません。

前置きが効かないのは、 嫌がられている理由がそこに無いためです。

自分語りがうざいと言われる理由|何が引っかかるのかで書いたとおり、 引っかかるのは読み手にとっての意味が用意されていないことです。 自覚を表明しても、その部分は解消されません。

  • 長さは変わらない
  • 話の向きも変わらない
  • 読み手が受け取るものも変わらない

むしろ、 分かっていて書いていることが伝わるぶん、 反発が強くなる場合もあります。


ネットでは前置きごとネタにされることがある

この形は、定型として認識されています。

「自分語りですが」から始まる長文は、 掲示板やSNSでは型として扱われ、 その言い回し自体が引用されることがあります。

似た扱いを受けている表現は 自分語り乙・金賞とは?ネットスラングとしての使われ方にまとめました。 定型化した書き出しの例は 自分語りのコピペ・例文集|ネットで定番化した型で扱っています。


前置きより効くもの

先に断るより、先に結論を置くほうが読まれます。

  • 何の話なのかを最初の一行で示す
  • 読み手が持ち帰れる部分を先に出す
  • 経緯は必要な部分だけに削る

この形であれば、 そもそも自分語りとして扱われないことがあります。 どこからが自分語りなのか|線引きの目安で扱っているとおり、 線引きは分量ではなく組み立てのほうで動きます。


まとめ

  • 「自分語りですが」には予告と免責の二つの働きがある
  • 予告としては機能する。読み手が離脱を先に判断できる
  • 免責としては機能しない。嫌がられる理由がそこに無いため
  • ネット上では前置きごと定型として扱われることがある
  • 先に断るより、先に結論を置くほうが読まれる

関連