自分語りはなぜ嫌われるのか|聞き手側の事情から見る

この記事は、する側・される側のどちらが読んでも成り立つように書いています。 話し手の性格ではなく、聞き手の側で何が起きているかを見ていきます。

自分語りがなぜ嫌われるのかという問いに対して、 「自己中心的だから」という答えはよく見かけます。

ただし、それでは説明がつかない場面があります。 同じくらい長く自分の話をしていても、 歓迎される人と嫌がられる人がいるためです。


聞き手が失っているのは「返す先」です

聞き手の側で起きているのは、退屈ではありません。

自分語りが始まると、聞き手は次の状態に置かれます。

  • 相づち以外にできることがなくなる
  • 途中で口をはさむと、話をさえぎった側になる
  • 終わりが見えないため、抜けるタイミングを計り続ける

つまり会話から「参加する余地」が消えます。

嫌われている中身は話の内容ではなく、 聞く以外の選択肢がなくなる状態のほうです。

同じ構図は 会話泥棒と自分語りの違いでも扱っています。


ネット上で嫌われる理由は、会話とは別です

匿名の場では、嫌われる理由の中身が変わります。

対面の会話では「抜けられないこと」が理由になりますが、 コメント欄や掲示板では、読み飛ばすことがいつでもできます。 それでも自分語りは強く嫌がられます。

理由は、そこが誰の話をする場所かという前提がずれるからです。

ニュースのコメント欄 … 記事について語る場。書き手の事情は前提にない
匿名掲示板      … 誰が書いたか分からない前提。個人の事情に重みがない
作品の感想欄     … 作品について語る場。読み手の来歴は求められていない

なんJや5chで「自分語り乙」という言い回しが定着したのも、 場の前提から外れた投稿を短く指摘するためでした。 その使われ方は 自分語り乙・金賞とは?ネットスラングとしての使われ方で扱っています。

ヤフーニュースのコメント欄で同じことが起きる仕組みは ヤフコメ民の自分語りにまとめました。


嫌われない自分語りとの分かれ目

歓迎される話には、聞き手に渡しているものがあります。

嫌われにくい嫌われやすい
話の目的相手の話題を進める材料になる話し終えること自体が目的
長さの決め方相手の反応で調整するあらかじめ決めた分だけ話す
場との関係その場のテーマに沿っているテーマから外れて始まる

中身が同じでも、この3点で受け取られ方は変わります。

具体的に何が引っかかっているのかは 自分語りがうざいと言われる理由で個別に見ています。


まとめ

  • 嫌われているのは内容ではなく、聞き手に参加する余地がなくなること
  • 対面の会話では、抜けるタイミングを失うことが理由になる
  • ネット上では、その場が誰の話をする場所かという前提のずれが理由になる
  • 「自分語り乙」という言い回しは、場の前提から外れた投稿を指すために定着した
  • 目的・長さ・場との関係の3点で、受け取られ方が変わる

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